経営パワーの危機を読んだ
経営パワーの危機―会社再建の企業変革ドラマ (日経ビジネス人文庫)
- 作者: 三枝匡
- 出版社/メーカー: 日本経済新聞社
- 発売日: 2003/03
- メディア: 文庫
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最初にこの本を読んだのは30代の前半だった。この本の主人公は36,7歳で子会社の社長について、経営者として鍛えられる。当初は、まだまだ先の話だと思ってたけど、30代後半に入ってしまった今の私にはぴったりだった。
この本ではしきりに30代で経営者としての経験を積んで苦労して乗り越えることが、その後のキャリアに重要だと書かれている。日本の大企業の30代は課長補佐とか課長とか経営者から程遠い立場で、社内調整に力を取られて、本当のキャリアを詰めない。
大企業に勤めていた経験からすると、その通りだと思う。どんな優秀な人でも、年功序列の壁を乗り越えていきなり事業をみるなんて経験はできなくて、中堅として社内調整とか関係者をうごかすための根回しとかに多大な労力を使っていた。
年功序列で偉くなった、引退間際の事業のトップから出された指示を受けた部長から、また指示を受けて、それを着実に実行するのが仕事みたいな人ばかりだった。そして30代後半から40代半ばを過ごしていく。その割にはトップからはオーナーシップを持てとか言われる。オーナーシップを持てる環境を与えられてもいないのに。そんな矛盾を感じながら、どうでもいいやと思って、目の前の仕事に忙殺される。
私は、設立まもない会社に転職して、事業を作ることができる立場にいる。社長にプランを提案できる立場にいるし、アントレプレナーに会うことも多くなって経営者の視点でビジネスを考えることができるようになった。
安定は捨てたが、自分の力を高めるチャンスを手に入れることができた。折り返した30代を悔いなく過ごせるように仕事に燃えようと思う。
最近仕事をしてて思うんだけど、一からビジネスを生み出す環境にいるので、何をしてもいいはずで、逆になんでもチャレンジできることには自発的にチャレンジしていかなければいけないのに、昔の癖で誰かにこれでいいのか確認したくなってしまう。正解なんて誰も知らないし、マニュアルがあるわけでもない、失敗しない人が偉くなる会社でもなくて、自分で成功しなければ会社がなくなるかもしれないんだから、自由に起業家のように動こうと思う。