3000億円の事業を生み出す「ビジネスプロデュース」戦略
- 作者: 三宅孝之,島崎崇
- 出版社/メーカー: PHP研究所
- 発売日: 2015/05/14
- メディア: 単行本
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経営者とKPIを握ることが大事ってことが繰り返し書かれていて、大企業で新規事業を担当していた私としては、非常に共感できた。
新規事業ってほとんど当たらないし、99%は失敗する。だからトップから見るとなかなか成果が出てこないのでイライラする。新規事業をやったことがない人がトップにいると自分で我慢ができなかったり、株主とか他部門からのプレッシャーに負けて新規事業を途中で潰してしまう。また、頑張って新規事業を推進している担当者に利益を出せってプレッシャーをかけ始めて、担当者を潰してしまう。
新規事業で成果を出す人なんてあまりいない。前の大企業もそうだったけど、上にいた人は大した成果もあげたことなく、ミスせずにやって来た人が多かった。そんなおっさん達に新規事業を数年我慢して育てることなんてできない。
数年で諦めて、とはいえ既存事業は伸びないから、また新規事業を考え出して、また我慢できず諦めて。こんなことを繰り返しているのが大企業。そして大企業は強い既存事業を持っているのでなかなか潰れない。イノベーションを起こせなくてもじわじわと死んでいく。
とにかく、逆風や何も見えない未来を自分で切り開く人。それを外野から守り続ける人が必要になる。外野にとやかく言われないように事前にKPIを握っておくことが需要になる。利益が出なくても、KPIをクリアしていればとやかく言われない状態を作る。例えば、ここで提携先を見つけるとか、そんなKPIでいい。
あと、事業のタネは社会的な問題を解決するビジネスなど、意味のあるものから考えるべきなんてのも参考になった。提携するときに共通の目的があると進めやすくなる。私もいろんなアイデアを出すけど、儲かりそうとか、技術的に競合がいない、とかだけだと机上の空論だけで終わってしまう。やっぱりやりがいを感じて、何としてもやり遂げるぞって仕事の方が燃える。というか、ベンチャーだと他に何もないので、想いがないと何も進まない気がする。
新規事業は孤独な戦いだけど、これほどやりがいのある仕事はない。今チャレンジできる環境を楽しもうと思う。