いつまで大企業で消耗してんの?

転職成功までのプロセス、転職エージェントの感想、30代での転職の苦労、キャリア感、大企業から脱出する心構え、その他諸々について書いています。 新卒で専門商社(3年)→財閥系一部上場メーカー(9年)→ベンチャー

自分語り10 一度目の転職活動

最初にリクナビネクストに登録した。その後リクルートエージェントに登録した。転職活動期間は半年くらいだった。転職活動をしていた時期は2007年ごろ。リーマンショックの直前で景気は上昇していた。企業の人勢も不足し始めていた。就職氷河期時代に新卒を取れなかった企業が第2新卒を中途入社で募集し出していた。転職したい側から見ると、就職氷河期に希望の企業に就職できなかった人たちが大企業に転職を決めていて、リベンジ転職なんて呼ばれていた。

私は当時社会人4年目だったので、第2新卒には該当しなかったが、求人はたくさんあった。財閥系のメーカーで働いていたので、メーカー営業をメインに転職活動をした。

最初は全くダメだった。箸にも棒にもかからないという感じで、書類は比較的通るんだけど面接でことごとく落ちていた。私は極度のあがり症なので面接官の前で上手く話せなかった。営業なのに人前で話ができなきゃダメじゃんという感じでいつも落とされていた。

いろんな会社の面接に行ったけど、印象に残っているのは京都にあるセラミックメーカーの面接。超ハイパー圧迫面接だった。面接官は2人一組で、最初に年配の優しそうな面接官が経歴を話させる。どんなことを話してもそれはすごいねとおだててくれるので、こちらは面白くなって思わず自分の実績を大げさに話してしまう。一通り気持ちよく喋ってから、隣に座ってた若い課長が話したエピソードに突っ込んでくる。それは本当に君1人の力でやったの?など。最初の優しそうなおじさんが気持ちよくおだててくれるから、ついついチームでやった仕事も自分の仕事のように話してしまっていて、それを突っ込まれて何も言えなくなってしまう。最後は君本当に使えるの?的なことを言われて終わりだった。刑事が2人組で犯人を取り調べするみたいな感じだ。1人は厳しくて罵倒してくる、心が疲れた時に年配の優しい刑事が声を変えてくれて、ころっと本音を話してしまう。某社の面接はそれの逆。1人が優しくして、自由に喋らせて、厳しい方が矛盾を突いてくる。志望者の嘘を見抜くための役割分担かもしれないけど、そこまでする会社には絶対行きたくないと思った。当然落ちたけど。

あまりにも面接に受からないので何がいけないのか真剣に考え始めた。転職活動の心得みたいな分厚い本を読んだりして勉強してみたこともあるけど、一番勉強になったのは、リクルートエージェントが開催していた無料の職務経歴書の書き方講座だった。

この講座を受けて、転職活動にはいくつかの抑えるべき基本的なルールがあってそれを抑えるべきだってことに気がついた。
その時気づいた一番大事なことは、退職理由=不満を明確にして、志望した企業に入ることでその不満が解消するということを論理的に説明するってこと。とにかく面接官を論理的に納得させないと内定は出ない。

・退職したいってことは今の会社に不満があるはず。その不満が何か明確にする。
・その不満は、転職することでしか解決しないこと
・志望している企業に入ることができれば、その不満が解決できる。かつ今まで培ってきた経験を活かすして活躍することができる

この流れを意識して、退職理由と志望理由を書くことにして、一気に面接の通過率が上がった。

面接で極度に緊張して喋れなくなるという弱点も考え方を変えることである時ふと変えることができた。その考え方とは、面接官も緊張しているってこと。

今までは、自分が面接官たちに人間としてテストされている場面だと思っていた。そのため、自分の立場が弱く感じて萎縮してしまっていた。しかし、実は面接官たちも会社を代表して募集者たちに会っていて、募集者たちから評価される立場に立ってて、緊張しているんだってことに気づいた。

この考え方をするようになって、面接は自分が選ばれる場じゃなくて自分が企業を選ぶ場だと考えるようになった。発想の転換。こう考えて面接に臨むようになって堂々と受け答えができるようになった。お前が俺を選ぶんじゃない、俺がお前を選ぶんだって気落ち。

そこからは見違えるように手応えが出てきた。立て続けに内定を取った。一つは今の会社。財閥系の一部上場メーカー、もう一つは通信キャリア、最後は衣料メーカー。この3社のうち通信キャリアは給料は高かったけど、勤務が超絶ブラックだった。毎日終電まで仕事するけど大丈夫?と聞かれたので、面接の時は大丈夫ですと回答したけど、あとで無理そうだと考えて辞退した。

衣料メーカーは給料がものすごく安かったので辞退した。財閥系メーカーは、当時いた企業と社風が似ていてやっていけると思ったので入社することにした。ここで判断しなければ今ここでこの文章を私が書いていることも無かったはずなので、人生って不思議なものだ。

引き止めなどもあったけど、新卒から先輩や上司から可愛がってもらっていたので、盛大に送別会をしてもらって、退職した。今思うと本当にありがたい。